日本河川協会月刊誌「河川」令和4年10月号に執筆

令和3年12月24日に、一級河川大和川水系大和川他18河川と大和川流域について、特定都市河川及びの指定されました。(流域治水関連法の中核をなす特定都市河川浸水被害対策法の改正後、全国初となる特定都市河川の指定です)

この法律に基づき、国土交通省大和川河川事務所と奈良県が事務局となり、令和4年1月12日に大和川流域の流域水害対策協議会を設立されました。この協議会は、国土交通省、県、大和川流域の25市町村で構成しており、大和川流域のあらゆる関係者の協働による流域治水を推進するために「大和川流域水害対策計画」を作成し、実践することを協議していく予定で、奈良県防災士会もこの協議会に参加しています。

このたび日本河川協会からの依頼で「月刊誌河川10月号」に執筆いたしました。「地域防災力向上の取り組み」と題して、防災士会の活動をレポートしています。

<末田政一 防災士>

田原本町教育委員会生涯学習講座「災害に備える」~水害編~

10月12日日(水)、田原本町生涯学習講座の一環として「災害に備える」~水害編~が開催されました。この講座の講師として植村信吉副理事長が招かれ約1時間に渡って講演を行いました。講演では、講座の受講生が高齢者であることを踏まえて①近年増加する水害②身を守る3つの心得③水害に備えるを柱に、「いつ」「どうやって」どこへ」逃げるのかを中心に講演を行いました。過去に田原本町は”57水害”で堤防決壊で大きな被害を受けたこともあり、受講生は熱心にメモを取るなどしながら参加していました。(報告者:植村信吉防災士)

「令和4年度関西支部連総会が開催されました。」

さる10月9日(日)、17時から「日本防災士会関西支部連絡協議会」総会がテレワークで開催されました。総会には、兵庫県支部室崎支部長、大阪府支部田渕支部長、和歌山県支部からは早稲田支部長、奈良県支部からは植村副理事長が参加しました。また、京都府支部はこの日に府内で防災士養成講座が開催されていることから事務局の方が参加しました。総会では、1、令和3年度の事業報告、収支決算 2、令和4年度事業計画、収支予算案についての協議が行われ、令和4年度の担当支部である滋賀県久保支部長からは、「コロナ禍であることから支部連としての活動が皆無になってしまった事のお詫びと、今後の支部連活動のあり方」などが提案されました、当日予定していた議案は、全て全員一致での承認されました。なお、課題として、和歌山県の早稲田支部長から「関西支部連として各府県で災害が発生した際に、お互いに支援できる体制を作るべき」との意見を受けて、関西支部連として支援のあり方を協議することになりました。報告者:植村信吉防災士

奈良県自主防犯・防災リーダー研修

令和4年度の奈良県自主防犯・防災リーダー研修が、10月2日(日)奈良県社会福祉総合センターにおいて106名の受講者で開催されました。奈良県安全・安心まちづくり推進課が主催する3日間の研修の初日で、新たな防災士を養成する講座です。 一限目は末田防災士が「防災士に期待される活動」として講義を行い、二限目は「防災士が行う各種訓練」として、マイ・タイムラインの実技訓練を八幡領防災士が進行しました。

講義では、防災は一生続く物なので無理は禁物、出来ることを出来る時にということと、行政などに頼らない自己完結の考え方を主に伝えました。防災士は「自助・共助・公助」を繋ぐ役割を担っているので、まずは地域や行政に信頼される人になっていただきたいと思います。 マイ・タイムラインは国土交通省の「逃げキッド」を利用して行いました。以前は台風や地震を想定して、自分ならどう行動するかという「タイムライン訓練」が主流でしたが、鬼怒川決壊から、ひとりひとりのタイムラインが必要であるということで「逃げキッド」が考案されました。資料は国土交通省のページからダウンロード出来ますので皆さんも活用して下さい。大きな川が無い地区でも内水氾濫や豪雨、強風による災害の心配はありますし、自宅が安全な場合は自宅内避難での準備も必要です。自分の家にあった自分自身のマイ・タイムラインを作成して下さい。

最後に「その他」として、「受援力」の講義を植村防災士が行いました。地域が被災したときに支援を受け入れる体制が必要です。 新型コロナ感染防止のため昨年度に続き参加者を制限したため、抽選に外れた方も多くありましたが、女性や若い方が多かったのが頼もしく感じました。地域や職場、家族のために知識を役立てていただきたいと思います。

<末田政一 防災士>

三郷町北小学校防災研修

令和4年10月5日(水)生駒郡三郷町の町立三郷北小学校4年生の「奈良県の災害について学ぶ」という授業のひとつとして「行政と地域の取り組みについて」の授業が行われました。1限目は、4年生131名が体育館に集まり、役場総務課の職員から行政の取り組みとして避難所や防災備蓄倉庫の紹介、ハザードマップの見方や大和川が増水したときの画像などを見ました。次に地元の防災士から自治会や自主防災での訓練の様子や防災かまどベンチなどが紹介され、「いざというときの助け合いの輪をつくる」という活動の目的が説明されました。続けて行ったシェイクアウトではみんなよく訓練しているようで、しっかりと身を低くして頭を守る行動が出来ていました。休憩を挟んで2時限目は4クラスに分かれて「非常持ち出し袋」「新聞紙スリッパ」「段ボールのブロック塀体験」「危険箇所クイズ」という4つのブースを、10分ごとにローテーションしながら学んで回りました。各ブースには指導担当として三郷町自主防災ネットワークで呼びかけた有志の皆さんのほか、NPO法人奈良県防災士会からも講師の方に来ていただきご指導いただきました。参加した児童たちはみな元気で、活発に各ブースを楽しみながら学んでいて、指導した防災士諸氏も終わった後に「子供たちに元気をもらって自分たちも楽しかった」と感想を述べていました。小学校での防災訓練や授業のお手伝いは、地元の防災士にとっても念願であったので、今回は初めての取り組みでしたが、教える側と学ぶ側両方にとってたいへん有意義な行事になったと思われます。(報告:北村防災士)

平群町連続講座第四回

令和4年10月1日(土)、平群町総合文化センターにおいて「くらしに活かす防災講座 第4回」が行われました。テーマは「災害ボランティアについて」で、受講生8名が参加し、平群町社会福祉協議会から3名、奈良県防災士会から4名、平群町防災士ネットワークから4名がそれぞれ参加しました。

前半は平群町社会福祉協議会の本多主任と岩上係長より「災害ボランティア活動について〜わたしたちに何ができるのか考える」をご講演頂きました。令和4年8月豪雨で被災された新潟県村上市の方々や、災害ボランティアとして駆け付けた地元高校生などへのインタビューが紹介され、被災者が元の生活に戻るためには多くの人たちの助け(ボランティア)が必要であることが説かれました。後半は山﨑防災士がご自身やご家族の体験談から「災害は忘れなくてもやってくる」こと、「共助」は大切だけど、初対面の人を助けるのは難しいので、日頃からの「助けて」と言える関係作りや「助けてもらえる」仕組み作りが重要とのお話をいただきました。受講生からは「話がよく実感できて、人ごととは思わなかった。」「町内で災害が起こればボランティアに参加したい。」「自主防災活動での要配慮者の実態調査を行ったばかりで、個別家庭訪問で面談出来た事で少しでも面識が出来て良かった。」などの感想が寄せられました。

(報告:小山防災士)

221001 平群町防災講座(第4回)_活動報告書

三郷町社協職員ボランティアセンター立ち上げ訓練

令和4年9月17日(土)生駒郡三郷町の社会福祉センターにおいて社会福祉協議会主催「災害ボランティア養成連続講座」の第4回目として「ボランティアセンター立ち上げ訓練」が実施されました。社協職員によるボラセン立ち上げ訓練ということで県社協の協力も入り、三郷町以外から大和郡山市、安堵町、平群町、大和高田市からも社協職員数名の参加があり、当講座の受講生および奈良県防災士会講師陣が「災害ボランティア」役を担当し、三郷町総務課職員の視察も含め30名を超える人数での訓練となりました。訓練は台風により大和川や支流の関谷川、実盛川でバックウォーター現象による越水、氾濫があり1名が行方不明、立野南地区で床上、床下浸水が多数発生。また信貴川の水位上昇により勢野東地区でも内水氾濫が発生している。三郷町災害対策本部と社会福祉協議会が協議を行い福祉センターに災害ボランティアセンターを設置することが決まった、という設定で訓練がスタートされました。受け付けでの新型コロナ感染防止対策はもちろん、オリエンテーション、マッチング、資機材、送り出し、衛生救護などの班が設けられ社協職員が手分けし配置について災害ボランティア役の受講生を誘導案内しボランティアセンターとしての運用を学びつつ実際の現場のように真剣に取り組んでいました。ニーズ班も設けられ数名の被災者役からボランティアに来て欲しいという要望に綿密な情報の聞き取りをしながら対応していました。訓練は1時間ほどで終了し振り返りタイムではそれぞれの班を担当した社協職員から感想が述べられました。

・受け付け班:1列で長く並んでいたので机をもっと用意すればよかった。

・オリエンテーション班:説明が大変なのでビデオを用意し5分ほど見てもらうのもアリかなと感じた。

・マッチング班:イレギュラーも想定されるので細かいこともしっかり伝えたい。また食事や着替えなどボランティアへの対応についても社協HPで事前情報を発信しておくと良いと感じた。

・報告班:ボランティアのグループリーダーの受け付けに時間が掛かったり、団体の方の誘導があったり、戻られて疲れたボランティアの方々への配慮が必要だったりと想定を超えることがあった。

・資機材班:ボランティアの声を反映していくことが大事だと感じた。

・送り出し班:重たいものを軽トラなど車両で搬送とか現場への道案内も必要と感じた。

・ニーズ班:被災者へのねぎらい、気遣いの声掛けが大事だと感じた。

・ボランティア役:災害ボランティアの経験がないのでボランティアセンターの様子が知れて参加した意義があった。

ボランティアセンターの運営で大事なことは迅速な対応や1日を上手く運営することだけでなく被災地の復興を思い描きながら取り組むことも大事なことです。

三郷町社協事務局長からは、訓練中に靴の履き替える場所と送り出しの動線が違うことへの言及があったことに対し、畳がある福祉センターがボランティアセンターに不向きということが判ったので今後隣接する文化ホールをメインのボランティアセンターとする計画に変更して計画を立て直したい。といった具体的な進展を含む発言もあり、参加者全員にとって非常に有意義な体験となる訓練として終えることが出来たと思います。ボランティアセンターの運営で大事なことは迅速な対応や1日を上手く運営することだけでなく被災地の復興を思い描きながら取り組むことも大事なことです。

最後に当講座のメイン講師の奈良県防災士会副理事長の植村防災士より受講生にむけて「皆さん災害ボランティアに登録してくださいね!」と一言をいただき、令和4年度の「災害ボランティア養成連続講座」は幕を閉じました。。 (報告:北村防災士)

平群町連続講座第三回

令和4年9月10日(土)、平群町総合文化センターにて「くらしに活かす防災講座 第三回(避難所開設講座)」が開催されました。町内防災士や自主防災役員など16名の方に受講頂きました。第1部は、コロナ禍における避難所開設の資料動画を視聴頂き、第2部は、南海トラフによる地震が発生した想定で、発災時の避難行動から避難所開設まで要点や多様化する避難所運営での留意点について大坂間防災士より講話がなされました。受講者からは、「避難所開設の実際について全般的に知識を深めることができました」や「講座の内容が具体的になってきて、分かりやすくなってきた」とのお声を頂いた一方で、テーマとなっている「くらしに活かす防災講座」から外れていると厳しいご意見も頂きました。昨今、豪雨等による自然災害も増加傾向で被害も甚大化しており、避難(難を避ける)の対応力も防災の一つであると考えております。今後も、ご意見は真摯に受け止め、よりよいニーズに合った研修が出来るように工夫してまいります。 ( 報告:大坂間防災士)

220910 平群町連続講座(第3回)_活動報告書

三郷町連続講座第三回

令和4年9月3日、三郷町社会福祉センターにて三郷町社会福祉協議会主催防災連続講座の第3回目「災害ボランティアとは?」が実施され、町内防災士や自主防災役員、役場職員など18名が受講しました。前半は、三郷町在住の北村防災士より熊本地震や西日本豪雨災害などの被災地での災害ボランティアの体験と活動の実態などが多くのスライドを用いて解説されました。後半の講演では県防災士会相談役の植村防災士による、ボランティアセンターの開設と運用の仕組み、行政や地域の諸団体、住民との関わりのあり方などが詳しく解説され、受講者は皆とても真剣に聞き入っていました。受講者の中で災害ボランティアの経験のある方は18名中3名と少なく、支援する側としてだけでなく三郷町で災害が起きた場合の受け入れ側の対応についても学ぶ大変有意義な機会になったと思います。当該講座は三郷町の社会福祉協議会が主催する連続講座として令和3年度より実施されており、少しでも多くの地元の方々に学んでいただきたい内容となっています。次回第4回では連続講座の締めくくりとしてボランティアセンター開設訓練が行われる予定です。災害が起きないことが一番望ましいことですが、いざ災害が起きたときに行政でも民間でも多くの人材が手を取り合って助け合うことが出来る三郷町になれるよう今後も頑張りたいと思います。  (報告:北村防災士)

三郷町連続講座第二回

令和4年8月20日、三郷町福祉保健センターにて三郷町社会福祉協議会主催防災連続講座の第2回目「三郷町の災害リスクを知る」が実施され、奈良県防災士会より植村顧問が講演し、町内防災士や自主防災役員など14名が受講しました。今回は過去に水害が起きた明治団地およびため池ハザードマップに掲載されている「大池」という溜め池の、現地見学会を中心とした内容で進行しました。今回、受講者はまず社協の車に分乗し現地へ向かいました。明治団地では57災害と呼ばれる昭和57年の台風10号の時と、平成29年の台風21号による地域の水害の様子について、明治団地自主防災会の代表の方による語りとまち歩きでの案内がなされ、当時の様子やそこから地域で始めた取り組みなどが紹介されました。特に大和川の水位が上がってから、樋門が閉じられるタイミングが地域に知らされないことに、行政や大和川工事事務所との連携を強く求められている事や、高齢者の避難への対応に苦心されていることなどをお話しくださいました。また次に訪れた「大池」では、社協担当者よりため池ハザードマップと連動した情報の説明があり、受講者一同熱心に耳を傾けていました。そのあとは福祉保健センターに戻り、奈良県防災士会の小山防災士による「三郷町の豪雨災害リスクを知ろう」という題目で講演がありました。水害や土砂災害、避難の方法や避難情報の活用などについて講演されました。  (報告者:北村防災士)