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野迫川村避難所で炊き出し

さる10月13日(木)、奈良県支部は、野迫川村の土砂ダムによる警戒区域指定に伴い避難所生活を余儀なくされている北股地区の皆さんに炊き出しを行いました。
今回の炊き出しは、植村事務局長と縁のあった野迫川中学校長から「長期に渡って避難所生活をされている・・・」と連絡が入り急きょ計画をしました。当日は、13名(防災士11名、支援・協力者2名)が参加し、昼食(サンマ、ほうれん草のおひたし、味噌汁)、夕食(おでん、味噌汁)の炊き出しを行いました。
また、同じ炊き出しをするのであれば、防災士会のネットワークで東日本の被災地、宮城県女川からサンマ、石巻市十三ケ浜のワカメを送ってもらい、東日本大震災で被災しながらも頑張ってる女川や石巻の人達の”元気”を届けられればと考え宮城県支部へ協力要請を行い実現しました。

写真は、宮城県女川から送られたサンマです。

当日は、NHKなら放送が取材に来ており、炊き出し支援をする私たち奈良県支部をはじめ、避難生活を送る避難所の方々へのインタビューを行っており、当日の18時10分から始まるNHKニュースの「ならナビ」で防災士会奈良県支部の炊き出し支援の様子が放送されました。
また、この取材テープは宮城県へも送られたようで、当日の夜のニュースで放送されたと宮城県支部から連絡があり、宮城県支部からもお礼の電話がありました。

下の写真は、取材や炊き出しの様子です

木本支部長からは、避難所のみなさんへの思いや、今後も支援を続けていくことなどを話し、避難されてる方々からは、感謝の言葉が寄せられました。
下の写真は、炊き出しに参加された方々です。

最後に、片付けも終了し、参加者が車に乗って帰路に着く時、避難所の方々が見送りに出てこられ、
口々に「ありがとうございました」と、言って見送っていただきました。
この姿に、参加者全員が、今後も継続した支援をする決意を固めた一日となりました。

<炊き出しに参加した方々>

◇防災士
木本喜信(奈良市)、植村信吉(三宅町)、南上敏明(天理市)、奥田 仁(香芝市)、柏田勝幸(田原本町)、池田 勝(三宅町)、田上靖洋(三宅町)、高木忠雄(奈良市)、高岡宏芳(河合町)、松尾 修(大和郡山市)、藤本昭広(天理市)
◇支援物資提供・炊き出し協力者
源 尚子(調理師:天理市)、吉崎義之(田原本町)

<支援物資及びカンパ>

山口精肉店(三宅町)、有限会社琢磨瓦店(三宅町)、大久保喜治(奈良市)、藤本昭広(天理市)

野迫川村避難所での炊き出しボランティア緊急募集の案内

 

 奈良県支部では、土砂ダムの影響で現在も避難所生活を余儀なくされている野迫川村北股地区住民への支援行動として下記の日程で「炊き出し」を行います。今回は防災士会宮城県支部の協力で女川町のサンマを届けてもらい、避難されている方々に食べてもらう予定です。


 この支援行動へ参加する防災士ボランティアを下記のとおり募集します。



○ と  き  10月13日(木)、午前7時30分集合
○ 集合場所  三宅町役場南側駐車場
○ 活動場所  野迫川村山村振興センター
○ 活動時間  午前7時30分~午後9時頃
○ 申込み先     電話 090-8655-7182(南上まで)     
        FAX   0745-56-5817

<活動内容>
 避難所での「炊き出し」昼・夜の2回(昼は焼きサンマ他、夜はおでん)  炊き出し後の食器の片付け、食器洗いまで 


<募集人数>


参加者募集人数は、10名~15名程度です。  定員になり次第締め切ります 


<参加費>


 一人3,000円(すべて食材購入費にあてます) 


<参加者が用意するもの>


 調理に適した服装。軍手・タオル・防災士腕章・防災士帽子・保険証・免許証など。但し、食材購入、調理器具は、事務局及び現地で用意しますが、後日、別途参加者へ物品や車の提供などを依頼する場合があります。その時は、ご協力下さい。
注意:現地、野迫川村の夜は冷え込みます。参加される方は、あったかい服装でお願いします。
 


<ボランティア保険>


 ボランティア保険に加入しますので、事前に氏名・生年月日・性別・血液型・連絡先をお教え下さい。

台風12号に伴う集中豪雨被害に対して

 



台風12号による豪雨で、当県南部地域の市町村では大きな被害が発生しました。現地では、自衛隊・警察・消防や行政が必死で対応をされている最中であります。


私ども奈良県支部も、直ちに奈良県へできる限りの協力することを申し入れたところであり、すでに防災士の有志はボランティア活動などに参加をしております。


現在、被災地へ向う道路の復旧が進められておりますが、大規模な土砂崩れや、土砂ダムの決壊の恐れなどから、今なお避難所生活を余儀なくされている地区は数多く残っており、今後、支援活動は、極めて幅広く、長期にわたって必要となることが推測されます。


このような状況下、防災士の役割を再認識し、防災士仲間の皆さんの積極的な協力・支援を呼びかけるものであります。


県内の各防災士は、行政や社協、県民や被災地の市民・町民・村民が困っている時こそ協力すべきです。


 より一層の奮闘をお願いします。


 


 


 


被災地支援活動への考え方
 
被災地は救助活動からライフラインの復旧、さらに生活の復興へとステージが変化していくことが予測されますが、当面は、被災家屋のかたづけや避難所での運営補助や炊き出しなど様々な形でボランティアが求められます。奈良県支部の皆さんの積極的な支援活動をお願いします。


なお、被災地支援活動は、もとよりボランティア活動ですから、会員個々の皆さんの自主判断、自己責任で行っていただくことが原則となります。


私たち防災士は、「被災された方々の役に立ちたい。」という思いからお手伝いするものとし、被災者が迷惑と感じる場合は、直ちに中止するものとします。


なお、防災士会奈良県支部は、
○ 被災地在住・在勤の防災士
○ 奈良県及び被災自治体並びに社協
○ 被災地自治会や自主防災組織など
関係機関から要請があった場合は、奈良県支部として呼びかけて取り組むこととします。


今日現在、十津川村や天川村在住の防災士は、現地で頑張っております。
今後、地元の状況や他団体の動き等、できるだけ情報の提供を行いますが、各防災士の皆さんからも情報を寄せてください。
日本防災士会奈良県支部 支部長 木本喜信

台風12号による豪雨被害状況 No3

 
 天川村の西前防災士(JP和田局長)から、
1、広瀬地区の避難所で下着類が不足してるらしい
2、避難所の食事がインスタントが多いと聞いた
との連絡が入りました。
現地のボランティアセンターや災害対策本部を無視して対応することはできない、との考えがありましたが、とにかく、支援物資として下着類を調達した上で現地との調整をすることになりました。
10日朝、下着や着替えなどの支援物資が調達できたので、木村副支部長が現地へ入り西前防災士に下着類などの支援物資を届けました。
また、12日には、植村事務局長が現地の避難所へ入り、現地スタッフと打ち合わせを行いました。
<以下、植村事務局長からの報告です。>
現地へは、西吉野村から林道を経由して向かいました。
まず、西前防災士から現地の状況説明を受け、避難所となっている「籠山センター」へ向かい、現地スタッフの方から避難所の現状をきkました。
スタッフの方の話では、
当初は、電気などのライフラインが停まっていたので、洗濯などができずに困っていたこと。食事もパンやカップメンなどでしのいでいたが、現在は、電気も通ったので避難所(調理施設が整っている)で調理し、食事も普通の食事の提供ができる。
材料は、役場から届けられている。
ただ、鮮魚や生鮮食品は不足しがち。
近隣の方々が差し入れをしてくれるので現状は大きな問題はないが、避難されている方々は70才台80才台の高齢者が多いとのことでした。
植村事務局長からは、「依頼があれば、炊き出しなど必要な支援の提供する用意がある」ので、いつでも申し出てほしい旨を伝えて、今後は、炊き出しなどの日時について連絡を取り合っていくことの了承を頂きました。
ただ、電気の供給は電源車2台でまかなっているので、今後も安定した供給がされるのか不安が残っているようです。
崩落現場へは西前防災士の案内で向かうことができました。
現場までの道路には、このような大木が横たわっており、少し前までは、もっと多くの木が横たわっており通行できない状況でしたが、現在は、このように通れるようなったとのことでした。

下の写真は、天の川にあるダムの様子です。

同じ所から上流を取ったのが下の写真です。
聞けば、このダムの高さは20mあったそうですが、土砂の流入で埋まってしまってダム湖は消滅し、普通の川になってます。

土砂崩れの現場は「立ち入り禁止」になってますが、西前防災士の案内で近くまで行くことができました。

崩落は約800mにわたってるそうで、この上流部分にも数箇所崩落箇所があるとのことでした。
雨が降ると土石流の恐れもあることから、下流域には、いつ「避難指示」が発令されてもおかしくない状況のようです。
また、現在避難指示が発令されている広瀬地区は、急傾斜地にあるそうですが、地区内に亀裂が走っており、まだ、帰宅のメドはたっていませんが、現在、一時帰宅の検討がされている模様です。

台風12号に伴う豪雨被害状況 No2

 

 今回の台風12号による奈良県南部地域での被害について、県内防災士の皆さんをはじめ、多くの方々にご心配頂いていると推測いたします。


さる9月9日、支部の植村事務局長と南上次長が天川村へ入りましたので、天川村の状況をお伝えします。



 天川村では、河北防災士(JP天の川局長)から現地の状況を聞くことができました。また、村のボランティアセンターへの訪問と一部被災地へも向いましたが、崩落個所へ入ることはできませんでした。



今回の豪雨では、役場のある河合地区から下流で被害が集中しているとのことです。

(下流域とは、天川村から五条市大塔地域へかけての地域です)

添付した写真は、偶然道でであった方から提供頂いたものです。

わかりにくいですが、赤い鳥居のしたまで水が迫ってます。

もう一枚の写真に映ってる赤い鳥居の高さと比べるて下さい。






9日現在、下流域にある広瀬地区はがけ崩れの恐れがあるとして「避難指示」が発令中で、地区の住民は公民館等へ避難してます。また、孤立地域は、数地区残っております。

天川村の下流域にある西前防災士(JP和田局長)、のいる地区も孤立状態です。

この地域へは、林道経由(かなり危険な道)でR168へ出る道のみが通行可能ですが、通行制限が行われており入ることはできませんでした。

孤立地域への支援物資は、林道軽油や徒歩でなんとか届くようになったそうです。


今日現在、「避難指示」が出されてる一部地域以外は、「避難勧告」は解除されるそうですが、役場の確認はとれてません。


また、天川村のボランティアセンターでは、防災士会としてできることがあれば?

と、申し入れを行いました。

今日から奈良県が募集したボランティアバスが現地へ入ってますが、明日、明後日は定員(100名)に達したとのことです。

私ども奈良県支部の有志も明日からボランティアとして向います。



<電話>

一部地域を除いて、固定、携帯とも復旧中

<電気>

一部地域を除いて、かなり回復

<水道>

簡易水道は、順次復旧中

<公共交通機関>

天川村から洞川地区(女人禁制の山がある地域)までは6日より運行

なお、別路線は、河合地区止め

<学校>

来週から開始予定

<ゴミ>

6日から、試験運行


なお、孤立している地域の西前防災士から「広瀬地区の住民は高齢者が多い」「着の身着のままで避難所にきてるので、着替え、特に下着がない」との話(電話)を受けて、現在奈良県支部で調整中!




 十津川村の情報ですが、先ほど奈良県に確認したところ、五条市大塔地区のう回路から先ですが、まだ役場までの間には数ヵ所通行不能箇所があるようです。
(R168号なのか、各地区へ向かう村道なのかは確認できず)

また、地区単位で孤立する集落もかなりありますが、今日現在、少しずつ解消に向かってるとのことでした。

ただ、テレビでも報道してるように自然ダム(特に赤谷地区)の決壊の恐れが大きく、その対策が優先されていると聞きました。
 下流域の地域は、「避難指示」が発令されてるので人的被害はないかと推測してますが、家屋などの被害が心配なようです。
10日現在、五条市大塔地区からのう回路は、道路に亀裂が発見されたので通行できませんが、R169号から下北山村方面からのう回路が開通したようです。

孤立集落などへの支援物資ですが、現在は、物資が行き届くようになっており、村役場からはお礼と、物資は足りているとの連絡が入ってるようです。

台風12号の大雨被害状況 No1

 
 台風12号による豪雨被害について、情報提供がありましたの報告します。
<黒滝村>   
 黒滝川上流域は、3カ所の地域に分かれて避難所とした。(黒滝村幼稚園など)
みよしのオートキャンプ場の避難所では9月6日まで炊き出しを行っていたが、7日の炊き出しは検討中。
 9月6日現在、赤谷地域から下流域の黒滝川周辺(対象は、村民の7割)に避難指示が出されているため、9月4日から幼稚園などに避難してる。9月6日からは、黒滝村幼稚園(村内唯一の幼稚園)は再開予定。村社協では、炊き出しが行われている模様。
 未確認ながら、村内の河分神社から東側の地区で被害が大きいとのこと。地蔵トンネル入口付近が崩れそうなので、気をつけるようにとの情報もある。
以上、平井防災士からよせられた情報です。
(平井防災士の実家は黒滝村)
<宇陀市、御杖村>
 宇陀地区は、今のところたいしたことはないようです。数か所、小規模な地崩れや倒木、あるいは屋根の損傷などがあります。
9月6日現在、朝から雨は相当降ってるので警戒が必要とのこと。
御杖村では、屋根瓦が飛ぶとか、倒木が道をふさぐなど多少の被害あり、国道の一部は今も通行止めとのこと。
以上、御門防災士からよせられた情報です。
<十津川村>
 6日現在、連絡がとれない状況が続いてます。

東日本大震災レポート(No.3) ~仙台市内避難所~

 
 天理市の藤本昭広防災士からレポートが届きました。
藤本防災士は、柔道整復師として宮城県仙台市内の避難所5ケ所を柔道整復師、助手の5名で回って、主に避難者の治療を行ってこられました。
以下、藤本防災士のレポートを掲載します。
<訪問日時>
平成23年5月23日(月)~25日(水)
<訪問した仙台市内の避難所>
宮城野区、宮城野体育館(避難者数 265名)
 〃   、田子市民センター(避難者数 94名)
 〃   、高砂市民センター(避難者数 112名)
 〃   、岡田小学校(避難者数 220名)
若林区、荒町市民センター(避難者数 39名)
※ 避難者の数字は、4/30現在
<届けた救援物資>
衣料品 ダンボール22箱
新米 60K、缶詰他 ダンボール3箱

上記5ケ所にて、柔道整復師として、のべ94名の方の治療を行いました。
長い避難生活で、足・腰・膝などを痛められてる方が多いことに驚きながらも、治療をさせて頂きました。
加えて、県や市行政への様々な要望をお聞きしたので、宮城県防災課へ報告をいたしました。

<避難者の方々の声>
避難所では、木材・コンクリート等のガレキ除去や、家屋倒壊の処理等で多くの人の支援を求められておられました。
今のままでは、自宅に戻ることもできない。
また、これから季節が夏に向かうので、新たに夏物の衣料等も必要、との意見を多く聞きました。
私が防災士と聞き、救援活動を通して各地域で防災活動に頑張ってほしい、との声も頂きました。

今後、防災士=救援活動を通じて、防災士としての役割を果たしていきたいと思います。

東日本大震災ボランティアレポート(No.2) ~気仙沼~

 

 東日本大震災で現地へボランティアとして参加した山口防災士(広陵町)からレポートが届きました。山口防災士は奈良県が募集した「災害ボランティアバス」で気仙沼市へ行かれました。
以下、山口防災士のレポートを掲載します

平成23年5月20日(金)~23日(月)にかけて、現地2泊車中2泊で宮城県気仙沼市へ奈良県災害ボランティアバスに参加した。

 気仙沼市は、宮城県の北東端に位置し、東は太平洋に面し、南は宮城県本吉郡南三陸町、西は岩手県一関市、藤沢町、北は陸前高田市に接する。

(1)市の面積は、333.37平方キロメートル、人口は、73,363人※平成23年3月末の住民基本台帳から

(2)被害状況

 死 者 数    905人(5月1日現在)

 行方不明者数 1,008人

 市内の避難所数   58か所

 避難者数   5,250人(4月28日現在)
5月20日(金)18時30分に近鉄高の原駅を出発し、名神自動車道、北陸自動車道、新潟から磐越自動車道、郡山から目的地の東北自動車道一関ICまでの約930kmを13時間かけ気仙沼市へ

 

 さて、一関市から気仙沼市へは、班ごとにレンタカーに乗り換える。ヘルメット、ゴーグル、サージカルマスク、作業着、長靴に着替え、作業荷物を積んだら出発だ。作業着の上には、奈良県の災害ボランティア隊名入りのベストを着用する。班長は、黄色のベストで我々はオレンジ色のベスト、県のスタッフは、黄緑色のベストだ。サージカルマスクは、建物の倒壊でアスベストが舞っているので付けるよう指示があった。また、長靴は釘などを踏み抜け防止のために鉄板敷きを推薦されていた。ボランティアセンターでは、けがによる破傷風を心配している。

 

 一関市から気仙沼市へは、レンタカーで50kmを約1時間かけて現地へ向かう。行き先選定は、仙沼市ボランティアセンターが、被災者宅の希望と災害ボランティアの希望とを結ぶあわせる役目をしている。これをマッチングという。目的地の住所をナビに入力し、ナビに従ってひたすら走るのみである。現地ではトイレがないので、途中のコンビニでトイレを借りた。店長に話を伺うと、「あと20分も車で走ると、津波に襲われた街が見える。」とのことであった。

 

 突然、テレビや新聞で見たことはあるが、現実に流された材木、家、ひっくりかえった船、車など壊滅した気仙沼市街が見えてきた。そして、5人が一斉に「えー、」と絶句してしまった。

 車は9時に目的地へ到着した。私たちの任務は、被災された佐藤さん宅の泥だしだ。佐藤さんのお宅は海から1kmぐらい離れているが、津波に流され家はない。あるのは、家の土台だけだ。そして、庭には、近くの水産加工会社から流れてきた生ワカメの入った約10kgのダンボール箱がヘドロとともに散乱している。付近をよく見ると青いビニール袋がいたるところに散らばっている。この青いビニール袋の中に生ワカメが入っているのだ。もう2か月以上経っているので、腐って蛆がわいている。腐った生ワカメの臭いもものすごいものだ。

 本日は、4班20名が佐藤さんのボランティアをすることになった。

今日は、快晴で気温が高いせいか、ヘルメットから汗がぼとぼとと落ちていく。サージカルマスクの中も汗で息苦しい。蛆のわいた生ワカメの袋を4台の手押し車にのせて次々とゴミ捨て場までもっていく。20人で5時間かけて佐藤さんの家は見る間にきれいに片付いた。

佐藤さんの10m上の隣家は津波の被害を受けていない。津波が襲った場所とそうでない場所とでは、雲泥の差があるのだ。津波が襲った家は壊滅である。

泥の中から出てきたアルバムや賞状は、家族にとっては思い出の品物である。

汚れているからと判断して勝手に処分してしまわないことだ。

 午後3時に佐藤さんの奥さんに作業状況を見てもらい、次回も依頼したい時は、ボランティアセンターへ申し出る。ボランティアセンターから借りた道具があればセンターへ返し、作業終了報告をして、すべての作業が終了となる。

 現地にはトイレがないので、休憩時間に車でコンビニ等のトイレを借りなければならない。4班のお昼の休憩場所は、国道45号線沿いの「花の道」というパーキングエリアにした。そこは敷地内に仮設気仙沼警察署と屋外トイレ、外で昼食がとれるテーブルとイスがあったのでちょうどよかった。

 

3 2日目のボランティア

 2日目は、昨日と代わって、朝から雨が降っていた。1、2、4班の15名は、気仙沼市内のコーポ渡辺へ、 3班は、みのや商店へという予定であったが、雨のため両方ともいったんキャンセルとなった。そして、ボランティアセンターに9時に集合し、再マッチングすることとなった。ボランティアセンターでは、個人ボランティアが全国から集まっている。ボランティア登録をすませ、背中に自分が望むボランティア作業を書いたゼッケンをガムテープで貼っている。たとえば、「そうじ」、「泥だし」などと書かれたゼッケンを見て、マッチングがおこなわれる。

ボランティアセンターには、全国の社会福祉協議会の職員が交替で詰めており、センターのスタッフが、依頼主の家まで車で送ってくれる。センターのスタッフは、送迎、巡回、道具の配達などを通じて、依頼者のニーズとボランティアの進み具合をチェックしているのだ。ちなみにセンターで、道具の貸借担当の腕には、「大阪府柏原市社会福祉協議会」と書かれていた。


我々15名は再マッチングの結果、結局コーポ渡辺へ行くこととなった。

コーポ渡辺は、気仙沼湾から700m離れているが、2本の川に挟まれており、津波は川を遡上し襲ってきた。コーポ渡辺は、2階建て6戸の共同住宅で、1階3戸が津波の被害にあった。

2階の床まで津波が来たといっていた。所有者の渡辺さんは70歳ぐらいの方で以前まぐろ船に乗っていたという。3月11日当日、ここのコーポ渡辺にいた時に地震に遭い、テレビのニュースで大津波が来ることを知り、一目散に高台へ避難したという。幸い、コーポ渡辺の住民の方も無事であったということであった。

 渡辺さんがボランティアを頼んだのは、これが3回目で、街中の道路やコーポ渡辺の周囲も木材やがれきで埋まっていたという。2ケ月かかってやっと道路もコーポの周りもがれきが撤去できたのだという。

 

 コ-ポの床は剥がされて、石灰が蒔かれてあった。我々の作業は、1班1戸ずつに窓ガラス、網戸、壁を清掃することだ。2階には、避難所へ行くより自宅の方が良いと住民が住んでいる。しかし、下水が復旧していないので、あまり流さないように市から指導を受けているそうだ。さっそく窓ガラス、網戸を外し、石けんで洗ったが、レールやサンの間に泥が詰まり、水の力で吹き飛ばせなければ取れない。窓ガラスもガラスが割れて変形している。玄関ドアも変形して閉めることができない。本日は4時間かけて清掃をすることができ、渡辺さんも喜んでいただいた。

 渡辺さんに、「コーポの写真をとってもいいですか?」と聞くと「ええ、いいですよ。」といってくれたが、写真撮影には、注意が必要だ。私は、休憩時間に津波が遡上した川の写真を撮っていたが、「被災者の方の家は写さないようにしてください。」と付近の方の忠告を受けた。被災者の家を撮るつもりはないが、カメラをもってうろちょろするのは誤解を受けそうでやめておいたほうがよさそうだ。

 

 最後に

 東日本大震災で被害を受けられた方々にお見舞い申しあげますとともに、これから大変ですが復興を願っています。

 今回、長い復興の道のりの中のほんの2日間お手伝いさせていただいた。ここで得た体験を関西でも伝え、さらなる支援を広めたいと思う

東日本大震災 ~初めて体験する超広域災害に対して~

今回の東日本大震災で亡くなられた方、被災された方々へ心からお見舞い申し上げます。
奈良県支部といたしましては、地震発生当初は、被災地以外の民間ボランティアが多数駆け付けることは、公的機関である警察、地元自治体や消防関係者、災害復旧に全力をあげる自衛隊などの救援活動の妨げになることや、支援活動は長期に渡って必要になること、ボランティア活動のニーズは今後、どれだけ広がっていくか想像もつかず、公的機関はもとより、民間ボランティアの総力をあげて取り組む必要があるという日本防災士会の考えに基づき、今後の推移を見守りながら必要な対応を考えていくことといたしておりました。
「なにかできることは?」「なんとか力になりたい」という思いを形にする方法は様々であります。ボランティアとして現地で被災者の手助けをする方法もあれば、必要な物資やお金を被災者の方へ届ける方法もあります。

 

今回、日本防災士会本部からの情報によれば、被害の大きかった岩手県支部、宮城県支部、福島県支部の3支部をはじめ、茨城、青森、秋田、長野、新潟、千葉、東京都各区支部では、自ら被災しながらも現地で支援活動を行われている防災士の方々が多数おられます。
このような経過から本部とも連絡を取り合いながら3月末に役員会を開催し、被災者支援活動の考え方を以下のとおりといたしました。
◇被災地支援活動への考え方
被災地は救助活動からライフラインの復旧、さらに生活の復興へとステージが変化してます。
被災地支援活動は、もとよりボランティア活動ですから、会員個々の皆さんの自主判断、自己責任で行って頂くことが原則となります。
私たち防災士は、「被災された方の役に立ちたい。」という思いからお手伝いするものとし、被災者が迷惑と感じる場合は、直ちに中止するものとします。
1、各自が義援金をする
2、防災士会で義援金を募る
3、奈良県及び近隣市町村が受け入れる被災者に対するボランティア
しかし、地元支部の状況、他団体の動き等、できるだけ情報提供したいと思います。
奈良県支部会員の皆様をはじめ、関係各位さまの情報提供をお願いします。
◇被災地でボランティア活動を行っている”技術系ボランティア黒沢さん(ブログ「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」)”から写真提供を頂きました。


被災前の公共施設

被災後の公共施設


避難所でのボランティアの様子

東日本大震災レポートNo9(事務局通信から)

 東日本大震災レポートNo9号(事務局通信)が届きました。
全文を以下のとおり掲載します。
 東日本大震災=レポート №9(2011.3.31)=
日本防災士会事務局
■ いまできること
各地で支援活動に取り組んでおられる皆様に感謝申し上げます。
事務局には、毎日、さまざまな情報が寄せられ、お問い合わせもたくさんいただいております。
改めて、確認させていただきますと、現在われわれが取り組み可能である活動としては次のようことがあると考えられます。
(1) 被災地への直接的な支援活動(被災地入りしてのボランティア活動)
(2) 各支部地元に設置された避難所への支援活動
(3) 物資その他の支援活動
(4) 節電等、エネルギー、物流の正常化への協力
(5) 地域の防災態勢の見直し強化
(6) その他(被災地への手紙等々)
すでに多くの防災士が、それぞれの属する組織等を通じて被災地入りしています。日本防災士機構・日本防災士会合同対策本部では、4月中旬以降の東北地方現地支援活動(千葉県、新潟県、長野県は実施済みまたは実施中)を実施する予定で準備中です。バスで30 名ほど突然押しかけてきてクレームを招いた自称ボランティアの集団もあったとのことです。受け入れていただけるための調整が重要です。個人として参加される場合は、現地ボランティアセンターに登録して活動してください。
物資については、おおむね各地の県庁等も受け付けを終了しつつあると思います。これからはランドセル(メーカーや郵便局長会などが手配中)、文房具、補聴器などをはじめとするさまざまな個別ニーズに対応していくことになります。現地で仕分けするのは困難であり、発送する側で仕分け・整理を完了して送るのが礼儀とされています。
また地域の防災態勢の見直し、とくに海岸線を有する自治体での津波防災対策の検証は急務です。しっかりと地に足を付けた地道な防災啓発活動も重要です。
■ 募金活動等に留意してください
 今現在、タレントなどの著名人をはじめ、さまざまな人々、団体が募金活動を実施しています。なかには悪質な詐欺行為もあると報じられています。募金活動を実施することは否定しませんが、くれぐれも誤解を招かないよう、趣旨および最終寄贈先(日赤、NHK,その他の公的機関)を明確にしてください。防災士個人または防災士会単独による個別訪問形式の募金活動は、もっとも誤解を招きやすく、適切ではありませんので、厳に慎んでください。(中央募金会、赤十字社、自治会、管理組合等として行う場合は、必ず他の〈非防災士の〉役員と一緒に行動するよう努めてください)。
■ 「空白地」作らない支援を ~被災地入りボランティア活動本格化~
道路開通の知らせが続く東北地方での、官民あげての被災地入りボランティア支援活動が本格化しました。
◎ 東京都が都民ボランティアを派遣決定
東京都では、4月5日(火)~11日(月)までを「第1期」として「都民ボランティア」を宮城県に派遣することを決定しました。大型バス、宿泊スペース(屋根のある場所を用意したいとのこと)・寝袋を提供する予定ということで、現地入りの交通費や宿泊費の負担、受け入れ先との調整を東京都が行うというものです。過去の被災地支援では考えられなかった措置であり、今回の大災害への支援の大きな一助になるものと思われます。
詳細を知りたい方は下記サイトをご参照ください。
東京都庁東北地方太平洋沖地震に伴う都民ボランティアの派遣について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3t700.htm
東京ボランティア・市民活動センター 募集要項
http://www.tvac.or.jp/news/21062.html
◎ 「東日本大震災支援全国ネットワーク」設立総会を開催
3月30日、東京平河町の日本青年会議所JC会館において141 団体の代表者が一堂に会し、「東日本大震災支援全国ネットワーク」設立総会が開催され、未曾有の東北関東大震災に立ち向かい被災地支援活動を行う決意を共有しました。
代表の一人に選ばれた栗田暢之氏(NPO法人レスキューストックヤード代表理事)は「われわれは情報と知恵の窓口となろう。『連携する』と言葉だけですませてはならない。
各団体が支援活動を行っている情報を地図上で共有し、フラッグの立たないところがないようにしていこう」と力強く呼びかけました。
また、総会に出席した辻元清美・内閣総理大臣補佐官は「NPO,NGOと役所では『言語』が違う。両方知っている私は通訳の役割を果たしたい」と挨拶しました。
当会の支援活動を実施するに当たり、このネットワークに集約される情報にも留意して、活動を進めたいと考えています。
同ネットワークのアドレスは次の通りです。http://www.jpn-civil.net/
■ 支部の活動紹介(事務局にお寄せいただいた情報の一部より)
◎ 埼玉県支部
さいたまスーパーアリーナ、川口西スポーツセンターの避難所で支援活動を実施。木船支部長をはじめ毎日数名が参加して、本部業務、巡回、給食支援等に当たっている。
◎ 茨城県支部
取手市は「語らいの里」他2か所で福島県南相馬市の市民約150名を受け入れ。茨城県支部では関根副支部長をはじめ8名が救援物資仕分けに従事。また竜ヶ崎市の要請に基づいて、避難所(たつの子アリーナ/福島県いわき市から避難)開設、受け入れの支援活動を実施。
◎ 千葉県支部
川崎副委員長、大島事務局長を中心に、旭市(津波被害甚大)でボランティアセンター立ち上げの時期から社会福祉協議会と連携して、瓦礫の撤去、清掃活動等を実施。
◎ 新潟県支部
長野県北部地震で被害を受けた十日町市でボランティア活動を実施。メーカーと協力し、要請に基づき宮城県へ栄養補助食品を搬送。JCに加盟している会員は車で宮城県内に物資搬送を行った。
◎ 兵庫県支部
兵庫県と連携し、救援物資集積等に取り組んでいる。郵便局長会にもよびかけ。染川直寛防災士が21日にJPR(日本国際救急救助支援会)のメンバーと合流し被災地支援に出発。
◎ 山口県支部
宇部市ならびに市民団体と協働して支援体制を構築。対応にあたっている。
※ どうしても情報が東日本に偏りがちです。中部、西日本方面の皆様の情報をお寄せください。
■ メディアに掲載された会員の活動・意見をpdf ファイルで添付しました。
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