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令和2年7月豪雨への災害復興支援について

 九州を始め岐阜県等に甚大な被害を及ぼしている「令和2年7月豪雨」の被災状況が明らかになるにつれ、会員各位におかれましても「なにか出来ることはないのか」と心を痛めておられることと推察いたします。
 奈良県防災士会としても、現在、どのような復興支援ができるのか協議しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止もあり、もどかしさや歯がゆさを感じているところであります。
現在、被災地では自衛隊や消防、警察、自治体などが懸命の活動を行っている最中であり、今後の天気予報から判断して未だ災害は発生中であると考えます。
会員の皆さまにおかれましては、ご家族や知人・友人の「安否確認」以外の情報収集及び個別での被災地での活動はお控え頂きますようご協力下さい。
当会としての今後の支援活動については決まり次第報告すると共に、引き続き現地情報などは随時ホームページにて報告いたします。
ご理解ご協力をお願い申し上げます。
  
※これまでは熊本県・鹿児島豪雨と記載してましたが、以後は「令和2年7月豪雨」と記載

参考資料
全国社会福祉協議会「令和2年7月豪雨 災害特設ページ」
https://www.saigaivc.com/202007/

【速報】熊本県・鹿児島県豪雨

 7月4日(土)未明から熊本県、鹿児島県、宮崎県を中心に激しい雨が降り続き、熊本県、鹿児島県では特別警報が発令されました。熊本県球磨川が複数個所で氾濫し、死者20名、行方不明者14名との報道(7/5現在)もされておりますが、未だ被害の全容が掴めていないのが現状です。
 奈良県防災士会では、被害全容がわからない状況を踏まえて、当面は情報収集を中心に進めます。

 今回、会員の八木沢防災士(王寺町)から被災直後の写真提供がありましたので掲載します。八木沢防災士の知人(熊本県人吉市)からの情報提供です。


なお、この民家の方は、無事避難されたとのことです。

<会員へのお願い>
被災地では被害の全容が掴めていません。家族、知人、友人など心配される方も多数おられると思いますが、個人的な情報収集のために電話を入れるのは控えて下さい。避難者や、救助活動中の方にとって携帯電話は貴重な情報源です。「安否確認」以外の災害ボランティア等の情報収集は控えて下さい。
今は、避難や救助活動が迅速に行えるようにご協力をお願いします。
また、「新型コロナウイルス」感染が懸念される状況下です。災害ボランティア活動を進めることで感染を拡大する恐れがあります。感染の拡大が住民の“命”
を脅かします。
「新型コロナウイルス」感染の状況下での災害ボランティア活動については、後日あらためて報告いたしますが、全国社会福祉協議会が示す指針に基づきたいと思います。https://www.saigaivc.com/covid19/
                          (文責:植村信吉)

千葉県内の「災害ボランティアセンター」の設置状況について

川口均防災士(生駒市)から千葉県内自治体の災害ボランティアセンター設置状況一覧表が届きました。

なお、現状では県外からのボランティア受入れはしてないようです。

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平成30年7月豪雨被災地(岡山、京都)先遣隊報告

平成30年7月14、15(土・日)、先遣隊として植村理事長、板垣理事、村山監事の3名が岡山県、京都府へ入りました。
以下、先遣隊の報告です。

<7月14日(土)>
事前に、岡山県神田支部長へ電話にて現地へ入る旨の連絡を入れ、奈良を早朝5時に出発。
真備地区は常に大渋滞が発生しているとの事前情報をつかんでいたこともあり、山陽道経由、岡山自動車道総社ICから総社市内へ向かう。総社市内は渋滞発生していましたが、全て真備地区へ向かう道路でした。

1.総社市
総社市役所横のボラセンにて社協事務局長と支援物資及び現地状況の聞き取り。
Q 支援物資として靴下(奈良県広陵町の地場産業)を送りたい。
A 私宛(事務局長)で良いので送って下さい。
Q 総社市のボラセン状況と今後の見込み?
A 今月中にはかたをつけたい。そうしないと真備の方が大変。
見たところ、支援物資はなんとか足りていそうな感じです。ただ、市役所横の車庫を支援物資配布場所にしており、「ここにあるので自由に持って行って下さい」というスタイル。靴下は不足しているとのこと。※靴下は、20日に発送予定。
総社市から高梁市へ向かう。

2.高梁市 
 高梁市ボラセン(社協)で事務局長と支援物資と現地状況の聞き取り。
Q 支援物資として靴下(奈良県広陵町の地場産業)を送りたい。
A 市役所の総務課と協議してほしい。ボランティアさんには配ってやりたいが・・。
Q 総社市のボラセン状況と今後の見込みは?
A このまま人数が確保できれば今月中にはなんとか。
事務局長さんの話では、
真備では、今日(14日)、ボランティアの受付をストップした。理由として、渋
滞がひどくて、ボラセンから真備地区への送迎ができない。
  沢山の方に来ていただいているので、あとの方は総社市へ来ると連絡があった。
 高梁市役所へ向かい、市役所で総務課長と面談。
課長は、「現状、全て対応できています。ありがとうございます」とのこと。
高梁市から真備へ向かう。渋滞が予測されたので北から(県道54)真備へ入る。真備地区、宮田橋交差点から小田川の架かる宮田橋へ向かうが、宮田橋交差点の景色は、昨年ボラで入った朝倉市の景色と同じと感じた。

3.倉敷市(真備地区)
決壊した小田川に架かる宮田橋の袂の民家に写真撮影許可を取ろうと声をかけ少し話を聞く。
娘さん?の話では、
この家は主人のお母さん(74才)が住んでいました。お母さんは二階にいたが、二階にいても膝位まで水がきた、とのこと。たまたま通りがかった宅急便?の人に子供用のビニールプールのようなもので助けてもらいました。
こちらからは、
「家の写真は撮りましたか?」「り災証明は申請しましたか?」と聞くと、「すませました。」
とのこと。「うちは早くにり災証明の申請をしたので、もうおりました」「今は、市役所がパニックになっています」
お二人で片づけをされていたので、
「ボランティアの申し込みは?」と尋ねると、
「申し込んでいますが、まだ来ないんです」「10時に来ると言っていたのに・・」と困惑されたので、こちらから真備ボラセンの状況を説明。
すると、「1階の畳だけでもなんとかしたかったのに・・。」
と困っておられたので、
「良ければお手伝いしますよ」
急きょ、この民家の片づけのボランティア活動に従事。

<7月15日(日)>
事前に、京都府田中支部長と電話で連絡を取合いながらの現地入り。早朝6時に奈良を出発。京都縦断道から宮津市へ入る。京都府の田中支部長と宮津市三宅危機管理監が知り合いという事もあり、宮津市では丁寧に対応頂く。

1.宮津市
社協事務局長のお話では、
「昨日、今日と沢山の方にボランティアとして参加頂いています。」「このまま順調に行けば7月20日(金)にボラセンを一区切りできるのではないか」
なお、現状支援物資は足りています。
三宅危機管理監との面談
「特に被害が大きかったのは池ノ谷地区」「ただ、ここは地域の結びつきが強くて、直後から地域で素早く対応されていた」等。
また、宮津市の状況や京都府下(福知山、綾部等)の現状説明受ける。
宮津市から舞鶴市へ

2.舞鶴市
ボラセンで社協事務局長のお話を聞く。
「ボランティアは市内限定でお願いしている。」「避難所は閉めました。」「ボラセンは明日の参加者次第ですが2・3日の間に閉めることができるのでは」
「支援物資関係は役所で対応なのでそちらへお願いします。」とのこと。社協事務局長が役所へ連絡を入れて下さり市役所へ向かう。
舞鶴市:産業振興部企業誘致担当竹山課長と面談
こちらからは支援物資関係の説明を行う。課長からは、舞鶴市の状況説明を受け、必要であれば連絡を頂く旨の申し入れ。
課長の「舞鶴市はこの10年で4回も被災している」と言われた言葉が印象的でした。

<先遣を終えての感想>
京都府(宮津市、舞鶴市)は、ほぼボラセン活動が終息へ向かっているもよう。その他の自治体は不明。
岡山県の高梁市、総社市は、復興には時間がかかりそうだが緊急性を要する事案は解消されつつあると感じた。ただ、ボラセンでの話なので細部までは不明。
真備地区は、まだまだこれからです。
被災地が広範囲なのと被災家屋が多いことからへたをすれば年内いっぱいかかる可能性もあると感じました。
私たちが急きょボラ活動を行った民家のある宮田橋付近は真備地区でも西の端の方です。ここから東側の状況は不明というか、渋滞がひどくて行きませんでした。ただ、私たちが急きょボラ活動を行った民家のように、ボランティアを待っている家は沢山あると推測しました。
※13日まで真備ボラセン内で支援活動を行っていた田中防災士(大阪府支部)の情報では、14日段階で3,000件の派遣用意をしていたとのこと。
しかし、被災地へ向かう道路や被災地での大渋滞などで思うような活動が出来ていないのが現実です。なんといっても被災家屋が地区の1/4とも1/3とも言われるほど広範囲な被害であることから、今後、様々な形での積極的な支援が必要です。

(奈良県防災士会:植村信吉)

総社市VC 支援物資

総社市VC 支援物資

総社市VC 支援物資

総社市VC 受付

総社市VC 受付

総社市VC 受付に物資持参

総社市VC 現地送迎バス

高梁市

高梁市

高梁市

高梁市

高梁市VC

高梁市VC 外人も参加

高梁市

倉敷市真備町 渋滞

倉敷市真備町

倉敷市真備町尾崎地区

2階まで浸水

屋内

二階への階段

二階

畳出しボランティア

畳出しボランティア

畳出し完了

小田川支流決壊堤防補修工事

宮津市被災者用物資

舞鶴市VC

舞鶴市VC

熊本地震災害支援報告(県災害ボランティア)

奈良県社会福祉協議会主催の災害ボランティア熊本地震災害支援に参加された漆戸防災士の報告です。

 

題名: 熊本災害ボランティア報告 (報告者:漆戸章夫)

期間: 2016年5月18日~21日(内現地稼働19-20日の2日間)

主催: 奈良県社会福祉協議会(以降、『県社協』と略)

参加: 一般募集20名(内防災士2名)、県社協・県担当者4名

場所: 熊本県阿蘇郡西原村(人口7,070人 ※平成28年3月1日現在)

天候: 概ね晴れ、気温20-28度程度

<現地概況>

熊本県熊本地方を震央とした4月14日の前震(マグニチュード6.5、最大震度7)、同月16日未明の本震(マグニチュード7.3、最大震度7)および後に続く余震により、熊本県、大分県の一部などで甚大な被害が発生した。熊本県では、死者数69人(関連死20人含む)、住家被害90,592棟、各地でライフライン断絶、土砂崩壊などが確認された。地震発生後1か月以上が経過した今、ライフラインは概ね復旧(家屋等損壊している場所は除く)し、4月17日には18万人以上を記録した避難者数は、1万人を切るまでに減少、各地のボランティアセンター(以降、『VC』と略)が機能し始め、着実に復旧作業が進められている。

今回活動を行った西原村でも被害は甚大で、死者数5人、住家全半壊1,431棟(全世帯の56%)を記録、また各所で土砂崩壊、落石、道路亀裂・陥没、などが見られ、地震の恐ろしさをまざまざと見せつけられ唖然とする様相でした。同村では、5か所の避難所に依然として676人が避難している状況ながらも、仮設住宅の建設も始まっており、また役場に設置された災害VC本部の他、3つのVCサテライトが機能しており、1日200人前後のボランティアが活動をしています。

※被害関係のデータは、熊本県災害対策本部発信の「熊本地震に係る被害状況等について(第68報)」から引用しています。

<今回のボランティア隊稼働体制>

県社協(今中隊長、西川さん)総取り纏めの下、参加20名を各5名の4班に分け、1名を班リーダー、1名をドライバーに設定、班単位で現地調達のレンタカーを使い活動。

加藤防災士は4班リーダー、漆戸は4班ドライバーの役目を担いました。

<日報>

5月19日(木)

  • 前日に出発した夜行バスでしたが、熊本までは予定通り着いたものの、高速を降りてから大渋滞に巻き込まれ、現地災害VC山西サテライトに到着したのは、午前10時頃。
  • 4班20名全員が、西原村桑鶴地区にある民家に隣接する納屋(解体済)の木材、瓦礫等の撤去、を割り当てられる。
  • 木材を中心に、トタン、コンクリート瓦、金属類、などを分別して、軽トラ・2トントラックに積み込む作業を午後3時まで行う。(西原村は、ゴミの分別に厳しい自治体とのことでした。言い換えれば資源のリサイクルをしっかり行っている自治体とも言えます)

(積み込みの様子)

  • 当日、ボランティアが行うべき分別作業は完了したものの、運搬車両の回転が間に合わず、対象依頼案件の全作業は一部積み込み・運搬を残したので、後のボランティアにバトンタッチする形となりました。

5月20日(金)

  • 午前8時過ぎに災害VC高遊(たかゆう)サテライトに到着。女性3名の選抜隊が編成され、また当初の班編成は緩く維持されながらもその他の混合2グループ(計3グループ)に再編成され、それぞれが現場に向かう。(以後報告は、漆戸が所属していたグループの行動となります)
  • 1件目、家屋から落下・損壊した大量の瓦・ガラスを拾い集め、搬出、運搬車両に積み込む作業を実施。
  • 2件目、瓦、石膏ボード、サッシ、家具等の搬出、積み込み作業を実施。
  • 3件目、既に屋外に搬出された家財道具(廃棄分)の仕分け、搬出、積み込み作業を実施。
  • 昼食を挟み、4件目、落下・損壊した瓦の搬出。
  • 5件目、落下・損壊した瓦の搬出、およびサッシのガラス破壊・分別作業実施。(金属とガラスを分別する作業)
  • 続いて、午前中に残となっていた3件目の作業継続し、午後3時をもって作業終了。
  • 作業を行った5件、いずれも家屋の全半壊状態であり、最早人が住める状態でなく、ひたすら片付け作業を行うというものでした。
  • 他地域(外国人の方も数名来られていました)から参加したボランティアも大勢おり、特に2日目は他地域ボランティアと協同して作業を行いました。

<所感>

私自身は、2014年9月の広島土砂災害ボランティアに続く2回目となるボランティア参加でした。20名のボランティアが丸々2日間作業を行っても、地震被害のその甚大さに対しては微力であり、達成感を得るのは中々難しいものと思いました。

被災された方と話をする機会がありましたが、地震後1か月以上経過していることもあり、いずれも落ち着いており、悲観に暮れるという感じは全くありませんでした。また遠く奈良から来ていることに感謝の意を示す方が多かったです。

県社協では、のべ17名の滞在型派遣で現地ボランティアセンターを継続支援しているとのことでしたが、こういった災害ボランティアは1回で自己満足せず、継続して行っていくことが大切と感じました。次の機会があれば、また参加したいと考えています。

 写真は下記の報告書を参照ください。

<関連写真>

災害VC山西サテライト

寄せ書き(山西サテライト)

高遊サテライト

掲示板(高遊サテライト)

テント村(高遊サテライト)

仮設トイレとトイレカー(高遊サテライト)

被害場所の写真(プライバシー保護の観点から一部加工しています)

鉄筋剥き出しになった損壊電柱

4班メンバー(中央:加藤防災士、左から二人目:漆戸)

熊本災害ボランティア活動報告書(漆戸)