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被災地復興支援報告 ~東松島市~
311から3年半、被災地の今
日本防災士会奈良県支部 岩野祥子
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、宮城県東松島市に足を運び、被災からの復興の様子を見続けています。去る9月26-28日に訪れたときの様子を報告します。
集団移転地の造成工事
私見ですが、東松島市はわりと順調に復興が進んでいると感じます。311から1年間は月に1回から数回、それ以降はひと月から3か月に1度程度、東松島市を訪れていますが、行くたびに変化を感じられます。一方、福島原発の周辺地域へは、年に1~2回程度しか行かないにも関わらず、「前回から何も変わっていない」と感じることがあり、その違いを実感します。
今回、市内の数か所で目に留まったのが、集団移転地での建築工事が始まっていたことです。上の写真は、宮戸の大浜地区。6月に宅地造成が終了し、現在は住居の建築工事に移っています。
同じく、市中心部に近い、牛網地区の集団移転地です。
生活復興支援センターの活動
東松島へ行くたびに訪れるのが、「東松島市生活復興支援センター」です。ここは、震災発生から約5カ月の間は、「東松島市災害ボランティアセンター」として、泥出しや災害ゴミの撤去など、被災者と支援者のマッチングを行っていました。片付けがひと段落して以降は、仮設住宅で暮らす人たちのサポートや、失った仕事や家を今後どうしていくかなど、生活を立て直すために必要な、幅広い支援をするための「生活復興支援センター」へと活動の幅を広げました。
東松島市では、「生活復興支援センターは仮設避難者を見る」「東松島復興協議会(東松島市で活動する全国のボランティア団体やNPO・NGOが連携して活動を行うためのネットワーク)は在宅避難者を見る」というすみわけの元、復興に取り組んできました。わたしたちは在宅避難者から直接ニーズを聞きとりながら活動してきたため、仮設の人たちの様子や、行政の動きはほとんどわかりませんでした。そこで、東松島に来るたびに、生活復興支援センターを訪ねて、仮設避難者(現在は災害公営住宅への入居者も含む)の様子や、行政の取り組みについて、話を聞かせてもらっています。
話を聞く中で、震災から2年目となる去年あたりから、生活復興支援センターの役割のひとつに、災害を経験していない自治体への経験の共有と、災害への備えについての啓蒙活動が加わったように思います。今回訪れたときには、子ども向けのHUG(避難所運営ゲーム)の資料などを見せていただくことができました。
「被災者自身も、数年たてば経験を忘れてしまう。今後は、災害を経験していない子どもも増えていく。被災地域の中で、今回の教訓を生かせなければ意味がない」ということで、地域の人に対し、また、災害を経験していないよその地域の人に対し、東松島市が経験したことを伝えていく活動を、今後はさらに積極的に行っていくようです。
都祁地区HUG訓練
9月28日(日)に奈良市都祁交流センターにおいて、都祁地区自主防災防犯会会長の末田防災士主催でHUG訓練が行われ、自主防災役員、地区内各自治会の役員、消防団幹部、都祁行政センター職員、都祁小学校(校長・教頭・PTA会長)からなる「61名」が参加しました。
奈良県支部からは山口教育研修部長、前川防災士、高木防災士、勝川防災士、大久保防災士が参加され、山口防災士の説明の後、6名の防災士がテーブルファシリテーターとアドバイザーに廻り、今年の11月30日に予定されている避難所運営訓練に向けての役割分担の確立に役立ちました。
東部山間地域には防災士が少なく訓練の内容も機会も限られるので、今回のHUG訓練は大変有意義なものとなりました。
DIG・HUGフォローアップ研修会のご案内
地方自治体や各種団体等からDIG、HUG指導の要請が多くなっていることから、指導者養成を目的とした研修会を開催いたします。下記要項をご確認の上、参加ご希望の方はお申込み下さいますようお願い申し上げます。
と き 平成26年10月13日(祝)午後12:45 ~16:40
ところ 新大阪丸ビル新館506号室 (大阪市東淀川区東中島1-18-27)
主催者 日本防災士会 関西支部連絡協議会
主な内容
- DIG 第三段階の進め方
・町内図を使って、災害対応を考え、災害時要援護者支援など自主防災会役員等の
対応を検討する
※DIGは「都道府県地図」「市街地地図」「町内図」の三段階で進めることが
できます。この第三段階について集中して研修します。
- HUG(避難所運営ゲーム)フォローアップ研修
・HUG の進め方(復習)
・避難所入居者への対応について
(避難者カードをピックアップし班別協議)
※静岡県地震防災センター指導によるHUG訓練参加者のレベルに合わせて
実施しますが、初めてHUGを経験する人も参加可能です。
※200 枚以上の「避難者カード」のうち代表的なカードをピックアップして、
その対応を班別に協議し、避難所運営のノウハウ向上に努めます。
- 質疑応答、全体まとめ
講 師 橋本茂 事務統括 他(予定)
参加費 1,000円(会場使用料、資材費、通信費などに充てます)
受講資格 日本防災士会の正会員・賛助会員に限ります。
支部推薦者を優先し、定員80名に達し次第、締め切ります。
参加申込
下記項目をメールで b-kyouwa(あっとまーく)amber.plala.or.jp まで
- 「支部推薦」 「個人申込」 の別
- 「支部推薦」の場合、支部推薦役員名(役職と役員名)
- 氏名
- 郵便番号/住所
- 電話番号
- 防災士番号/年齢
※参加可能の可否は、申し込まれた方すべてに9月下旬を目途に郵送でお知らせいたします。参加可能の方は研修会当日、会場受付にて参加費をお支払いください。
最終申込期限 9月20日
平成26年度「ブロック会議」の案内
平成26年度第一回ブロック会議を下記の日程で開催します。
<ブロック会議日程>
1、奈良市ブロック(1区)
と き H26年7月8日(火)、18時30分〜20時
ところ サンアクティブ奈良 2F研修室
2、北和ブロック(2区)
と き H26年6月29日(日)、14時〜15時30分
ところ 大和郡山市市民交流館(3F研修室)
3、中和ブロック(3区)
と き H26年7月6日(日)、15時〜16時30分
ところ 三宅町「あざさ苑」会議室
4、南和ブロック(4区)
と き H26年6月28日(土)、10時〜11時30分
ところ 橿原あんしんパーク
<ブロック会議の主な内容>
1、当面の課題(今年度の支部活動、連絡体制等)
2、会議終了後、避難所開設・運営訓練(HUG)体験研修
<追伸>
今回のブロック会議では、避難所運営訓練(HUG)の研修(体験)を行います。
つきましては、事前学習として以下の資料を読んで参加して頂ければ、より一層研修が深まりますのでご案内します。
1 「奈良県避難所運営マニュアル」(平成22年3月 奈良県総務部知事公室防災統括室編)
の第3章部分
2 「実践的な防災訓練の普及に向けた事例調査報告書」(平成26年3月25日 消防庁応急対策室編)
十津川村の事例
三宅町で防災訓練(東屏風、石見地区)
さる11月、三宅町(東屏風、石見地区)で防災訓練が行われました。
この訓練は、両地区とも地域の自主防災会から奈良県支部へ協力要請があったものです。
<東屏風>
と き 平成24年11月11日(日)、13時30分~16時
ところ 東屏風体育館
主 催 東屏風自主防災会
参加者 地区住民約80名
訓練内容 災害図上訓練DIG「水害編」
ファシリテーター 木村防災士、植村防災士
この訓練では、
1.水害が発生した時に各自がどのように行動するのか?
2.地域での危険個所は?
3.地域で役に立つものは?
等を課題として、熱心に訓練が行われました。
<石見地区>
と き 平成24年11月18日(日)、9時30分~12時
ところ 奈良県高等技術専門校
主 催 石見自主防災会、石見自治会
参加者 地区住民約130名
訓練内容 避難訓練及び避難所開設訓練
ファシリテーター 高木防災士、植村防災士、池田防災士、田上防災士、中條防災士
当日の訓練は、
1.自宅から避難所への移動体験
2.避難所疑似体験
3.ダンボールを使っての区域割り体験
4.避難所運営訓練HUG(簡易訓練)
等が行われました。
参加者からは、「いい体験をした!」と好評で、自治会の広報部からは「臨時号を発行する」との言葉がありました。
避難所運営訓練ファシリテーター緊急募集の案内
日本防災士会奈良県支部は、きたる7月29日(日)、十津川村で開催予定の「奈良県自主防災活動推進緊急サポート事業」に伴う「避難所運営訓練」を支援・協力することになりました。
つきましては、以下のとおり訓練のファシリテーターを募集します。
避難所運営の経験者及び、避難所訓練を経験しようとする方、訓練を応援しようと考える方など積極的に申し込んで下さい。
◇主 催 奈良県(安全安心まちづくり課)
◇開催場所 十津川村(上野地、重里地区)
◇訓練内容 避難訓練、避難所運営訓練他
◇日 時 平成24年7月29日(日)、午前、午後の2回
◇訓練対象者 十津川村、地元住民他
◇参加要件
1.訓練会場が十津川村のため前泊できる人
2.支部主催で事前研修会を開催した場合には、事前研修会に参加できる人
※ 事前研修会の開催は検討中
◇申込先 支部事務局(担当:植村まで) Emall shintyan@iris.eonet.ne.jp
電話 090-8378-1106
◇締切日 平成24年6月8日(金)
◇注 意 当日の訓練は、奈良県及び十津川村の指導の下、支部教育・研修部会の山口防災士を中心に参加者が協力しあって進めます
※この訓練は、地元との協議により訓練内容が変更になる場合や、当日の天候やその他の事情により延期または中止の場合があることをご理解下さい。
東日本大震災レポートNo8(事務局通信より)
東日本大震災レポートNo8が届きました。
全文を掲載します。
東日本大震災=レポート №8(2011.3.24)=
日本防災士会事務局
■交通規制の解除について
今朝、東北道、磐越道等の一部区間の通行規制が解除となりました。ご参考までにお知らせいたします。
本通知は、追って警察庁ホームページに掲載されるものと思います。
広報資料 平成23 年3月23 日
警察庁緊急災害警備本部
平成23 年東北地方太平洋沖地震に伴い実施している交通規制の全面解除について
1 概要
東北道、磐越道等の一部区間において平成23 年3月22 日午前10 時より実施してきた緊急通行車両及び大型自動車等以外に対する通行禁止規制が全面解除されます。
(理由)
東北道白河IC~本宮IC間の応急復旧が完了したため
2 解除時刻
平成23 年3月24 日(木)午前6時
3 留意事項
今後、緊急通行車両確認標章の交付は行われません。
なお、山形道(西川IC~月山IC間)等に通行止め区間があるほか、宮城県内の三陸道鳴瀬奥松島IC~登米東和IC間(約45km)は交通規制があります。
(本件担当 交通規制課)
■ 福島県内の交通情報
福島県警の話によると、福島県内の交通規制は「ない」とのことです。
自己完結であれば入れるとのことです。〈3.24 AM11:35 確認〉
■ 参考情報・福島県の状況
防災士研修講座の常任講師の方からの現地レポートです。個人的判断が入っていますので、お名前はあえて伏せさせていただきます。
〈以下、引用〉
昨日、田村市の避難所の一つ”田村市総合体育館”行ってみました。650名ほどが避難されています。
田村市は地震・津波被害はほとんどなく、原発の影響で大熊町民が避難してきています。ここ以外に、9箇所あり、22日時点で2830名の方が避難生活をされています。
避難生活。とても劣悪な環境に愕然としました。ゴミと一緒に生活をしています。
下記、気づいた点
・ゴミ置場が部屋の中にある。部屋の中は生ゴミの臭い。
・うがい薬の設置がない(手洗い、うがいをしましょうの張り紙あり)
・ボランティアセンターと称して受付に張り紙がある。生活の場所との区別がない。
・人も、物も整理されていない。
・自衛隊がお風呂を設置していたが、若くて元気な人が先に入り、高齢者などは遠慮しているのか入らない。
ここの体育館のみに自衛隊がお風呂を設置しているため、すべての避難所から入浴にくる。一週間に2回は入れればよいほうだと…。それなのに、高齢者は入れない。
・食事はいまだに救援物資のパンとカップめん。
・お邪魔したのは13時ごろなのに、布団(毛布)が敷かれたままの状態
・人の入室管理が甘い。誰が避難者で、誰がボランティアか?よくわからない。
・プライバシーもない。
・トイレの掃除を行なっているのか?
まだまだいろいろと気になるところがありますが、ここの支援をしているのが大熊町民と一緒に避難している大熊町行政職員、田村市は地元の活動を邪魔しないようにしていると言うことらしいのですが、きっと体調を崩す人が続出します。
とても危機感を感じています。
田村市社協事務局長などに提案し、改善策をお願いしました。大熊町職員と顔が見える関係が出来ていると言う田村市社協職員がいました。
避難所運営の経験がなくこちらの提案にはじめてきがついたようです。
このようなものだと思っていたとの返答。大熊町の保健師さんや看護職員などいるは
ずだと思いますが…。
それから、日本看護協会が他県には看護師の派遣をするのに、福島県には派遣しないと決定したとの連絡に地元職員をはじめ、私も憤りを感じています。地元出身者のみの派遣だそうです。
自己完結できる人は本当に欲しいです。ガソリンがなくきめ細かな動きが出来ないのです。まだ全体像も見えていない。一般道での給油は無理です。今日から高速が一般に開放されるので、給油もスムーズに出来るのか心配です。
避難所運営も出来ていない(勿論、上手く行なっているところもあります)地域を回ることも出来ていない。
ガソリンがないため、物流がほとんどストップしている状態で、被害に遭わなかった住民が、食べるものがな く避難所にもらいにきているところもあるようです。
みなさん、福島に来てください。人手がないのと移動が出来ないことで、対応が遅れています。ガソリンはいつ福島に届くのでしょう?
災害対策本部との連携も良くない。情報は県職員が朝礼と終礼に入っていますが、取り次ぐだけで役割を果たしてくれていません。
ここの改善をしたいと思います。
〈引用、終わり〉
いたずらに危機感をあおるつもりはありませんが、被災地の深刻さについては、さまざまな情報が一致しているところです。
支援活動ができる方は、冷静に、着実に、準備をお願い申し上げます。
(支援活動は自由意志に基づき、自己責任、自己完結にてお願い申し上げます)
各支部、会員の方々が多様な活動を実施中です。
随時お知らせする予定です。
- 以上 -
新着情報
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- 令和7年度本部通常総会ほかへの出席2025年7月2日 - 8:20 PM
- 野迫川小中学校で防災講演会2025年6月30日 - 2:40 PM
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