令和6年度 奈良県防災士会 研修会

2月24日(月・祝)王寺町地域交流センター(リーベルホール)において令和6年度防災士会研修会が2部構成で実施されました。今回は奈良県との共催で、合計145名の参加がありました。末田理事長の開会あいさつの後、第1部は八木沢理事より「能登半島地震支援報告」と題して、昨年元旦の発災以降、奈良県防災士会として行った支援について報告がありました。第2部の研修は石川県防災士会副理事長 大月真由美様より「能登半島地震!そして豪雨!~能登の現状と私たちの支援活動~」をテーマに講演をいただきました。講演に先立ち植村相談役から、「奈良県防災士会が支援に入った珠洲市で継続的に支援に入っておられた大月様から多くを学ばせていただいた事」、「お仕事と支援活動でご多忙の中で駆けつけていただいた事」、「リアルなお話から私たちが考えなければならないことに関するヒントがたくさんいただけるであろう」との紹介がありました。発災直後の現地は道路の寸断のみならず、海岸線の隆起により港が使えず「支援に入りたくても入れない状況」であったことに触れられ、多くの避難所が開設されている珠洲市への避難所運営のお手伝いに入ることとなった経緯についてお話がありました。私たち防災士の活動は自己完結が原則である中、少し意外であったのは、避難している方から一緒に食べることを勧められたら、状況によっては一緒に食べてもらうほうが良いことについてのお話でした。避難所にいる人同士だと、自分のしんどさと同様の思いの人にはなかなか本音を言えないということを伺うととても納得できるお話でした。全体を通じて、参加者のみなさんが熱心に聞き入る姿が印象的でした。ライフラインの復旧もままならない中で、即時対応を求められることや、衛生上の習慣をつけるための具体的なアイディア、そしてストレスのたまるであろう子どもたちを頼りにすることで彼らの自己有用感を刺激しながら避難所の安全安心を確立されていった姿に、私たちが考えなければならないこと、そして頑張らなければならないという勇気をいただけたご講演でした。    〈岡本防災士〉

奈良市防災リーダー研修2/23

奈良市防災リーダー研修が、令和7年2月3日(月)と2月23日(日)2日間、奈良公園バスターミナルレクチャーホールで開催され、延べ210名の方が受講されました。奈良市自主防災防犯協議会が主催する、地域防災リーダーのための講座で、今年で4回目になります。

奈良県防災士会からは末田防災士が「地区防災計画を作ろう」という題材での講義とMCを担当し、同じ内容で2日間行いました。2回目の時は開演早々に会場の設備都合でプロジェクターが映らなくなり、また奈良市のパソコンも繋がらなくなって、急遽プログラムを変更して1限目に防災士会の講義を行うなどのトラブルが発生しましたが、臨機応変に慣れている防災組織の本領が発揮されたと思います。参加者の皆さんも奈良市の防災を担う方たちなので、全員が一体になって取り組んだ感がありました。

奈良市には昔からの安全神話がありますが、逆に経験が無いためリスク拡大の恐れや準備不足が懸念されています。今まで以上に地域自主防災会の重要性が叫ばれる中、有意義な研修会となりました。

<末田政一 防災士>

生駒郡社会福祉協議会「生駒郡内における災害ボランティアセンター設置・運営訓練」

令和7年2月22日(日)、安堵町のトーク安堵カルチャーセンターにおいて生駒郡4町合同による「生駒郡内における災害ボランティアセンター設置・運営訓練」が行われ、斑鳩町、平群町、三郷町、安堵町の社会福祉協議会職員、奈良県社会福祉協議会職員、法隆寺青年会議所員、生駒郡内住民ら約50名が集まり、奈良県防災士会からも15名が災害ボランティアや被災者役、またはVC運営の支援協力として参加しました。
訓練の内容としては、「生駒郡内での地震被害発生を想定し、災害ボランティアセンター設置及び運営に
関する協定書に基づき、生駒郡社協職員が中心となってセンターの設置・運営を行い、センターの役割を知っていただくことを目的とする。」とされ、「災害発生直後は備品・資機材が揃っていないことを前提に、センター(施設)内にある備品、資機材のみを活用して開設・運営を進めるものとし、会場設営、備品準備を含めて訓練参加者の創意工夫と適応力を促す方法で行う。」という状況設定のもとに行われました。
訓練の災害の想定は、「令和7年2月16日(日)午前10時15分奈良県生駒断層を震源地とするM7.5クラスの地震が発生。この地震により生駒郡内でも震度6弱~6強を観測し、奈良県内に大きな被害を及ぼした。県内での死者は1,000名以上、行方不明者300名をはじめとして、地震による家屋の倒壊は3,000棟に及ぶとの報道がされている。
生駒郡内では2月16日(日)には各町において「災害対策本部」が設置された。郡内の死者は約50名、行方不明者は200名との報告が入っている。郡内を通る道路は所々陥没や亀裂が入るなど、ライフラインの被害も発生している。」というものでした。
合計2回の訓練として担当者が入れ替わるなどし、それぞれVCを訪れた災害ボランティアに対して「受け付け」「ボランティア保険登録の確認」「ボランティア登録」「名札作成」「オリエンテーション」「マッチング」「送り出し」「資器材貸与」を経て活動を終えてからの「資器材返却」「報告受理」までの実際の災害ボランティアセンターの運営を想定して一連の流れに沿っての訓練を行いました。
また「ニーズ受け入れ」も同時進行で行われ、被災者役の防災士数名からはあらかじめ用意されたクレームの数々を発し担当者を大いに苦しめました。
訓練後に各班で意見交換を行い班での課題や感じたことなどを発表し合いました。
初めての体験となる参加者が多い中、反省点も多々あげられましたがなによりも貴重な体験ができて良かったという意見が多く、大変意義のある訓練となりました。
最後に奈良県防災士会相談役の植村防災士から講評があり、「災害ボランティアセンターの役目は被災地と被災者のためにあり、そのことを第一に念頭に置いて今後も取り組んでいただきたい」とお言葉をいただき参加者一同その言葉の重みを共有しました。

報告:北村防災士

自主防災支援事業(上北山村)「村全体の防災に関する講習会」の講師として登壇2/9

令和7年2月9日(日)、吉野郡上北山村振興センターにおいて「上北山村全体の防災に関する講習会」が実施され、奈良県防災士会から8名の防災士が参加して講師を務めました。この講習会は奈良県自主防災訓練支援事業の一環で、奈良県防災統括室が上北山村の自主防災活動の支援として奈良県防災士会が委託を受けて行っています。 上北山村での防災講習は10年ぶりとのことで、まず最初に「災害に備える」という題材で30分の説明を行い、そのあと皆さんでロープワークの練習をしました。防災士と一緒になって身体を動かすことで、徐々にですが皆さん一体になってきて、最初の説明ではやって頂けなかった身を守るシェイクアウトも、訓練途中で突然流した緊急地震速報に反応して、皆さん全員が身を守る行動を取って頂いたのが印象的でした。上北山村は奈良県南部に位置する山間部で、大台ヶ原を抱える日本有数の豪雨地帯です。前日からの大雪のため足元が悪い中でしたが、村内4区の区長さんと各区より役員の方が参加頂いて、村長も役場も含めて今後継続して防災訓練を実施してもらえるように、防災統括室と一緒に手厚く楽しい雰囲気を目的としていましたが、必要性を感じて頂けたよい講習会となりました。                      <末田政一防災士>

登美ヶ丘防災講演会「もしもに備える!登美ヶ丘の防災」に講師として登壇2/9(日)

2月9日(日)奈良市生涯学習財団 登美ヶ丘公民館において『もしもに備える! 登美ヶ丘の防災』の講座が行われ、登美ヶ丘地区自主防災防犯会、登美ヶ丘地区自治連合会、登美ヶ丘地区民生委員のメンバー、公民館の近隣のマンションや団地にお住いの方々など約30名の方が参加されました。講座名にあるように、地域の立地・特性による災害の種類やそのリスク、またそれに対する備えを学ぶことが目的です。講座は、「奈良県の自然災害」の履歴を確認し、「登美ヶ丘の災害リスク」として当地が山地が開発されてできていく様子を地理院地図(航空写真)で年代別に確認しました。大雨(豪雨)による災害や台風などによる風害のリスクとともに、一度起こると大きな被害を及ぼす地震について、「地震についての基礎知識」として近隣の活断層や南海トラフ地震について再確認をしました。また、朝日新聞DIGITAL「揺れやすい地盤」で当地の揺れやすさを奈良市役所との比較などで実感いただきました。南海トラフなどの大規模災害が起こった場合の避難については、自宅が生活できる状態であれば「在宅避難」が心身ともに良い場合が多く、そのために「命をまもるためにできること」として、事前にできる家具の転倒防止対策やローリングストックによる水や食糧の備えについて学びました。参加者のみなさんは「防災についてしっかり学ぼう」とする意識が高い方々で、90分間集中されていたことが印象に残る時間でした。〈岡本防災士〉

自主防災支援事業(大和高田市) 「大地震!マンションでの在宅避難について考える〜防災講演・安否確認訓練」

令和7年2月2日(日)ディオ・フェルティ大和高田において「大地震!マンションでの在宅避難について考える」と題して防災訓練が行われました。本訓練は奈良県自主防災訓練支援事業の一環で、奈良県防災士会が講師を務め、奈良県防災統括室、大和高田市危機管理課、マンション管理会社の皆さんにもスタッフとしてご協力頂きました。前半は大地震発生時にマンションで在宅避難するための備えや心得について講話をしました。後半はマンションに最近導入された全館放送システムの訓練放送や、タオルを使った安否確認訓練、支援物資の運搬訓練などを行いました。停電でエレベーターが停止しているという想定の下、参加者17名は各フロアに分かれてドアノブにタオルが巻かれている住戸を確認して回りました。マンション総住戸の約半数に当たる31戸にタオルが巻かれており、訓練参加者は多くの住民が協力して下さったことに手応えを感じていたようです。最後は市や県から届いた支援物資を受け取り、再び階段を使ってご自宅まで帰って頂きました。 <小山防災士>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木津川上流部大規模水害・土砂災害に対する減災対策協議会 合同幹事会

令和7年1月29日(水)に木津川上流部大規模水害・土砂災害に関する減災対策協議会がWeb会議で開催され参加しました。参加自治体は、三重圏域では三重県、伊賀市、名張市、津市、京都圏では京都府、南山城村、奈良圏域では奈良県、山添村、宇陀市、曽爾村、御杖村。そのほか関係地域の河川・砂防事務所、気象台、鉄道、防災士会(奈良)など48機関の参加でした。対象となる木津川上流部は奈良北東部、三重西部の山間部を水源とし、京都南部を木津川として流れる地域です。その後京都の鴨川・桂川などと合流して淀川となり大阪湾へ流れる淀川水系に属しています。会議では令和6年の活動事例として自治体からは防災講演や訓練、河川事務所からは治水対策の実施状況が報告されました。防災士会奈良支部としても講演や訓練のほかに広報活動としてラジオ出演、新聞取材対応なども行っていることを報告しました。最近の地球温暖化・気候変動により2040年頃には降水量が約1.1倍、流量が1.2倍、洪水発生頻度が2倍になるとの予測から、流域治水事業をさらに加速・深化させて現在の取り組みを「流域治水プロジェクト2.0」に更新するとの報告がありました。奈良県支部としても、更に水害・土砂災害への減災対策に力を注ぎたいと考えています。                                                                                                       <杵島 防災士>

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