「先手防災!どう動く」 聴覚障がい者と支援者
去る10月25日(日)、奈良県社会福祉総合センターにおいて、聴覚障がい者と支援者が参加してタイムライン研修が行われました。この研修は、支援センターからの依頼を受けて開催されたもので、講師として植村が参加しました。午前中は台風接近に備えてと題して約60名、午後は、南海トラフ地震が起こったと想定して約45名が参加して開催されたもので、聴覚障がい者自身がどう動けば良いのか、また、支援者はどう動けば良いのかを時系列で考えるタイムライン研修として行いました。研修は、タイムライン研修と振り返り研修と言う形で進めましたが、聴覚障がい者からすると、「どのように情報を掴むのか?」が大きな課題となりました。特に、地震の際の緊急地震速報時のシェイク・アウト訓練では、支援者は素早く身を伏せる行動ができましたが、障がい者には伝わらないことが浮き彫りになりました。また、障がい者をどう支援するのかは事前に相互の約束事をしておくことが大きいことも判明しました。なお、振り返り研修時の感想や意見交換は全て手話を使って行われましたが、講師として参加した私はなにが話されているのか一切わからず状態でした。これは聴覚障がい者の方が日常生活で実体験されていることの裏返しだと感じました。あらためて防災士としての視点の持ち方を考えさせられる一日でもありました。
報告者:植村信吉防災士